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    名翻訳家・土屋政雄のお話2  文を数値化し、次は推敲また推敲

    文を数値化し、次は推敲また推敲




    文を作っている文字から英語は1バイト、日
    本語は2バイトという分析で英文と訳文を比
    較したり、訳文同士を比較して傾向を把握す
    るようなのですが、このブログの能力を超え
    ているので、とりあえず土屋方式分析として
    おしまいにします。これがこうなるといい文
    とか、名文となり、ああなると悪文なのでし
    ょう。多分、世界で土屋氏一人の世界でしょ
    う。


    そして名翻訳家の土屋氏は徹底して推敲を繰
    り返したということです。もちろん時間はか
    かるということです。土屋氏からカズオ・イ
    シグロ氏の文章をみると、英米だけでなく世
    界を意識した分かりやすい英文ということで
    す。


    名翻訳を生むための基礎データー、目安を数
    量化して記録し、次は推敲に次ぐ推敲のよう
    ですが、「翻訳するぞ、他人にできない訳文」
    といった迫力を感じます。


    さらに書かれている英文の難しさを測る基準
    もあるようです。何年英語を勉強していると
    理解できるか、という尺度のようですが、翻
    訳をしているとこういうことも身につくので
    しょうか。前記にあるようにカズオ・イシグ
    ロ氏の英文がどんな読者を想定しているかも
    推測できるようです。


    今からカズオ・イシグロ作品の訳本を読む人
    はどうしたらいいのでしょうか。訳文を見て
    は訳者がどれ位推敲したかを探りますか。
    それとも、英文の本と訳本を並べて読みます
    か。ノーベル文学賞の作品はこんな価値もあ
    るかもしれません。

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    12~13。カズオ・イシグロを“数字”で読む。「名翻訳家」が出した数字の意味とは?

    BEST TIMES 10/19(木) 12:00配信

    カズオ・イシグロの陰に名翻訳家あり――。ノーベル文学賞を受賞、いま話題のカズオ・イシグロ。その代表作『日の名残り』『わたしを離さないで』から最新刊『忘れられた巨人』はいずれもひとりの翻訳家の手によって、私たち日本の読者の元に届けられている。BEST T! MES編集部が、その翻訳家・土屋政雄氏に独占インタビュー。全三回。第二回目は翻訳論をうかがった。

    〈前回記事:カズオ・イシグロ名翻訳家」の意外な過去。『日の名残り』に出会うまで〉

    1バイト文字の英語と2バイト文字の日本語。両者の関係性を意識

     土屋さんは、翻訳家でありながら数字が好き。今回のインタビュー取材中に印象深かったことだ。翻訳をする時にも、気にしていたのは“キロバイト”だという。どういうことなのか。

    「マニュアル翻訳をしていた時です。英語でもらう原文データと、納品する訳文データ、そのファイルサイズがだいたい一緒になると気づいたんです。

     考えてみると英語は1バイト文字、日本語はひらがなも漢字もみんな2バイト文字なんです。具体的に言うと“beautiful”、これは1×9文字=9バイト。日本語で「うつくしい」と訳したとすると、1文字が2バイトなので2×5文字=10バイト。「美しい」とすれば2×3文字=6バイトという計算です。漢字を使えば使うほど日本語のファイルサイズは小さくなります。そして私は両者の数を常に意識していました」

     そして好奇心から、他の翻訳家の数字も調べるようになったという。

    「ヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』は私の他に6人ぐらいの方が翻訳しています。全部は手に入らず4人分くらいの翻訳者のテキストをデータ化したことがありました。あまり声を大にしては言えないやり方なのですが、研究目的ということでご容赦ください(笑)。

     原文のファイルサイズを100%として、日本語のファイルサイズが何%になっているか、調べたのです。そうすると他の方は全員100%を超えていて、103%から112%ぐらいまである。私は94%でした。

    翻訳には波がある。徹底的な推敲によってならしていった

     さらに面白かったのが、章ごとのバラツキです。一人の作家の一つの作品を一人の翻訳者が訳すわけですから、どの章でもパーセンテージはほぼ同じ、グラフに表せば水平線になると思いますよね?  でもそうではない。

     じゃあその波がどこから来るのか。分析しますと、まずは翻訳者本人の気持ちの浮き沈みです。『今日は気分がいい』とか、『今日はやりたくないな』とか、はたまた『今日はちょっと熱があるな』とか。そういった毎日の調子が訳文を多少なりとも狂わせている。

     他には、波がはっきりしすぎていて、"第三者"の関与を疑わせるパターンもありました(笑)。大学教授が、この章は学生たちにやらせたな、とか。まあ余談にはなりますが。とにかく私は読者のことを考えれば、そういった波はなくすべきだと思っています」

     それをなくすためには、どうすればいいのか。

    「私の場合はとにかく推敲を毎日繰り返したんです。新しい所に取り掛かる前に前日までの訳を見直す。そうして日々の気分の差をならしていきました。いつ読んでも、『この文は自分の翻訳だ』と思えるように徹底的に推敲しました。行きつ戻りつなので、時間がかかりましたね」

     数々の名訳も、こうした翻訳家の丁寧なブラッシュアップを経てわたしたちに届けられていたのだ。ここで、カズオ・イシグロ作品について聞いてみた。翻訳家の目から見て、どんな文章だったのか。

    「イシグロの文章はやっぱり読みやすいんじゃないですかね。彼はひとつ意識していることがあって、『イギリス人のため』だけには書きたくない。反対に、フィリップ・ロスという作家がいますが、彼なんかは頭の中はアメリカだけ。アメリカ国内でしか通用しない表現が多いです。

     イシグロの場合はイギリス人。アメリカの人口が3億超に対して、イギリスは6千万超ですよね。だからマーケットの問題でもあると思いますが。とにかくイシグロは世界の読者に向けて書くということを意識しているようです。だから私が翻訳していても、特殊な表現方法とか、特殊な話題であるとか、つかえる所はなかった」
    ーーーー

    12~13。カズオ・イシグロの文章を読み解く。この数字の意味とは? 

     12~13。続いて土屋さんはまたしても“数字”を口にした。カズオイシグロ作品の文章を分析すると出て来るという。これは一体何の数字なのだろうか。

    「“フォグカウント”という文章の難しさを測る尺度があります。これはテクニカルライティングで使うものです。フォグカウント(FG)がわかれば、グレードレベル(GL - 英語圏での教育を何年間受けていれば理解できる文章か)がわかります。

     求め方を説明します。単語ごとに点数をつけます。1音節と2音節の単語なら1点、3音節以上の単語なら3点です。文章全体でそれを合計したものがFGです。それをセンテンスの数で割って平均FGを求め、さらに2で割るとGLが得られます。イシグロの場合はGLが12とか13という値になります。つまり、『12、3年、英語圏での教育を受けていれば理解できる文』。高校生ぐらいなら誰でも理解できるということですね。まあこれはテクニカルライティングの基準なので、完全に文学作品に当てはめられるわけではないと思いますが」

     とにかくクセがなかったと言う、カズオ・イシグロの文章。しかし最新作には小さな変化を感じたという。

    「ひとつのセンテンスの中に、動詞が2つ入るような特別な書き方をしています。イシグロに言わせると関係代名詞を省いていったらそうなったそうなんですが。たとえば“was”と“came”が一文に入るような書き方ですね。『忘れられた巨人』では意識してやられているそうです」

     次回、最終回では、カズオ・イシグロ作品の魅力を聞く。


    12~13。カズオ・イシグロを“数字”で読む。「名翻訳家」が出した数字の意味とは?BEST TIMES10/19(木) 12:00

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    ボブ・ディランのノーベル文学賞関連の

    事、よかったら覗いてみてください。
    以下からどうぞ。
    http://tamawasa3nobelpr.seesaa.net/index-3.html
    ボブ・ディラン 4p

    3年前のマララさんの記事
    http://tamawasa3nobelpr.seesaa.net/
    ベルタおばさん 1p
    マララさん   15p となっています。


    よかったら覗いてみて


    終りまでお読み頂き、ありがとうございました
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    tag : ノーベル文学賞カズオ・イシグロ土屋政雄名翻訳家